在宅リハビリテーションで行うこと

全身状態の確認

病状・健康の管理

血圧、脈拍、症状等のチェックを行い、当日の状態によっては受診を勧めたり、主治医に連絡を行うなど、病状の悪化を防ぎます。

機能回復維持訓練

機能回復・維持訓練とは、低下した身体機能を回復させたり、今以上の低下を防ぐための訓練のことを言います。

関節可動域訓練

リラクゼーション・ストレッチなど取り入れながら関節を動かし、関節が固まらないようにしたり、可動性を広げます。

筋力トレーニング

療法士または看護師が徒手的に抵抗をかけたり、重力や物を利用したりして筋力の増強を図り、転倒不安の少ない安定した動作を行いやすくします。

日常生活動作(ADL)訓練

日常生活動作(ADL)とは、寝返り、起きあがり、移動・移乗、食事・更衣・トイレ・入浴・整容などのことです。
このような日常生活が困難になった方に対して、実際の動作練習やアドバイスなどを行い、できるだけ自立した生活を送って頂けるような訓練のことです。

心理・精神面へのアプローチ

記憶力や、考えたり判断する能力は、刺激の少ない生活で失われやすいと言われています。不安を和らげたり、意欲が持てるような声かけ、アドバイス、刺激を与えることで、このような能力を維持したり、活性化することができます。リハビリテーションでは、認知症の方に対しての回想法等のアプローチも行っております。

環境へのアプローチ

「環境」は大きく分けると下記の3つに分けられます。

「人」:介護をする方
「場」:家屋や生活地域の状況
「物」:自助具や福祉用具等

「人」・・・・・介助方法の指導や助言

リハビリテーションの目的の一つに、ご本人だけでなくご家族の負担感の軽減や健康増進もございます。ご家族が安心して在宅で介護できるように、寝返りや起き上がり、移乗動作、排泄動作、食事の摂取法など福祉用具の活用を含め、介助のポイントをアドバイスします。
介護をする方ができることもついつい手伝ってしまい、それがご本人の能力低下を引き起こす可能性があります。見守ることもリハビリテーションのひとつです。

「場」・・・・・住環境の状況

ベッドをはじめとする室内の家具の配置、段差をどのように解消したらよいのか、手すりをどこに取り付けたらよいのかなど、家の中で安全に動作が行い易いよう、介助し易いようにどのように改善したら良いのかアドバイスをします。
特に手すりはとりあえずつけたら良いと言うものではなく、数センチの位置の違いで使える手すりになるか、使えない手すりになるかに分かれる場合があります。また、身体の状態によっては手すりの位置や方向が変わってきます。

「物」・・・・・福祉用具の選定

どのような福祉用具があるのか、どのように用いたらよいのか、介助し易いもの、ご本人に一番合ったものを提供できるようアドバイスします。
また車いすについては、一般的に座って移動するだけの椅子としてしか認識されていない傾向にありますが、車椅子及びクッションを体の一部として捉え、なるべく身体に負担を与えない物を選定します。